一戸建ての耐震偽装問題

一建設の耐震偽装問題

2005年11月17日、国土交通省は、姉歯秀次元一級建築士による耐震偽装問題を公表しました。多くのマンションやホテルなどの偽装が発覚しましたが、その一方、戸建住宅の耐震偽装が明るみに出ることは稀です。

例として、一建設の耐震偽装の報道記事を見てみましょう。

< 記事その1 >
木造681棟で強度不足 東京の一建設

住宅建設・販売の一(はじめ)建設(東京都練馬区)は18日、2000年から関東地方などで建て売りした木造2階建て住宅681棟が強度不足で、補修工事を始めたと発表した。

同社ホームページによると、耐震強度偽装問題を受け調査したところ、いずれも柱と柱の間に斜めに渡す補強材「筋交い」が十分でなかった。来月末までに補修工事を進めるという。

建築基準法では、木造2階建てに構造計算は義務付けられていない。

2006.06.19 共同通信
http://topics.kyodo.co.jp/feature10/archives/2006/06/index.html

< 記事その2 >
戸建て分譲の「一建設」、強度不足新たに588棟

東京都練馬区の戸建て分譲会社「一(はじめ)建設」が販売した住宅に耐震強度不足が見つかった問題で、すでに判明している681棟に加え、新たに588棟で強度不足が確認されていたことがわかった。 

同社は昨年6月の公表時、過去に分譲した2万7000棟の「全棟を調査した」と説明していたが、実際は3割程度の抽出調査しか行っておらず、問い合わせてきた購入者にも虚偽の説明をしていた。

同社は昨年6月、耐震強度偽装事件を受けて実施した自主調査の結果、2000年6月以降 分譲した2階建て木造住宅のうち、外部の建築士に設計を委託した681棟の設計にミスがあったと公表した。この際、報道機関の取材に「全棟を調査した」と説明。

電話などで問い合わせてきた681棟以外の購入者にも、「今までに当社から連絡がないのなら 問題がないと考えてほしい」と話していた。

ところが、実際は、問題が見つかった特定の建築士の設計物件を中心に限定的な調査を行っただけで、その時点で7割は未調査だったのに、「残りは安全」としていた。その後、 内部から問題を指摘する声が上がり、昨年7月以降、未調査物件についても調査を実施。 新たに588棟に同様の問題点があることが判明し、今年2月に国交省に追加報告していた。

読売新聞の取材に、同社は「誤解を招く説明があった。結果として申し訳ない」と話している。 国交省では、「不誠実な対応だ」としている。

読売新聞 YOMIURI ONLINE 2007.03.30
※WEB上のソースは、すでに消去されています。

戸建の問題発覚が稀な理由

木造戸建住宅の場合、構造計算が必要となるものは、3階建てや、500㎡(約151坪)を超える2階建てなど、一部に限られます。

構造計算が不要ですから、「偽装」なるものが存在しないに等しいのです。

残念ながら、私は一建設で強度不足が明るみになった経緯を知りません。ただ、記事その2を見ると、どうやら信頼性に乏しい企業のようですので、善意で調査・公表したとは思い難い。内部告発など、強制力が働いたのかもしれません。

いずれにせよ、木造一戸建ての場合、問題の発覚自体が困難ということです。

倒産と戸建

問題が発覚後、会社が倒産すると、残念ながら泣き寝入りすることになってしまいます。マンションも同じです。あまりに酷いということで、現在、救済措置について議論されています。

また、戸建の場合、診断リフォーム詐欺が横行しています。インチキの診断をして、耐震補強工事を強要するもので、高齢の方を中心に、被害が拡大しています。リフォームは建築士などの資格が不要ですので、悪徳業者には都合の良い商売なのです。

さらに、倒産した会社の建物は最高のターゲットです。私が社員なら、倒産前に顧客名簿を裏ルートで販売するか、自分で新たな商売をはじめます。

「私、倒産した○○建設の元社員ですが、実は耐震性に問題があることを隠したまま倒産しまして ・・・ 。」

original:2008-July.-12; updated:2008-July.-12; © 2003-2012 housemaker.jp all rights reserved.